Pi Networkが3連続で下落し、生死線に迫る。トレンドラインを割ると0.19米ドルへの暴落の恐れ

Pi Networkは金曜日に3日連続の下落となり、10月22日と11月4日の安値を結んだ局所的なサポートトレンドラインに迫っています。テクニカル面では、MACD指標の移動平均線が継続的に低下しゼロラインに近づいており、もしクロスしてマイナス領域に入れば下落モメンタムが強まります。Pi Networkが12月1日の安値0.2204ドル付近のトレンドラインを割り込むと、さらに0.1919ドルのサポートまで下落する可能性があります。

CEX純流入99万枚、リスク回避ムード高まる

（出典：PiScan）

PiScanのデータによると、過去24時間でPi NetworkのKYB（企業確認）認証を通過した中央集権型取引所（CEX）へのユーザー入金総額は275万PIトークンに達し、出金量176万枚を上回りました。これにより、CEXの一日純流入は99万枚となり、投資家のリスク回避姿勢が続いていることを示しています。中央集権型取引所のウォレット残高の増加は、通常ベア（弱気）シグナルと見なされ、より多くのトークンが売却準備のため取引所へ移動していることを意味します。

このオンチェーンデータの解釈ロジックは、ユーザーがあるトークンに強気の場合、通常は取引所から自分のウォレットに引き出して長期保有します。逆に弱気や流動性が必要な場合は、トークンを取引所に入金して売却準備をします。99万枚の一日純流入は絶対数としては大きくないように見えますが、Pi Networkの流動性が比較的限られていることを考慮すると、この規模の売り圧力は価格に顕著な影響を与える可能性があります。

さらに重要なのは、この傾向が持続するかどうかです。もしCEX純流入が数日連続してプラスを維持した場合、継続的な売り圧力となり、どんなテクニカルな反発も維持しづらくなります。逆に今後数日間でCEXから純流出（出金が入金を上回る）が発生した場合、売り圧力緩和の重要なシグナルとなります。そのため、投資家はPiScanの毎日のCEXフローを注視すべきであり、これは短期価格動向を判断するうえで最も重要なオンチェーン指標の一つです。

市場心理学の観点から分析すると、CEX純流入の増加は以下のような状況を反映している可能性があります。第一に、初期マイナーがついにKYC認証を完了し利益確定を選択した場合。第二に、保有者がPi Networkの長期展望に自信を失い損切り離脱を選択した場合。第三に、トークンのアンロックが新たな供給を継続的に放出し、一部受取者が即時取引所に移してキャッシュ化している場合。いずれの場合も、結果として市場の売り圧力が増加し、Pi Networkの価格に下方リスクをもたらします。

0.2204ドルのトレンドラインが需給の分岐点に

（出典：Trading View）

Pi Networkの価格は、10月22日と11月4日の安値を結んだ局所的なサポートトレンドライン付近まで下落しています。このトレンドラインは形成以来、何度も価格反発を支えてきました。もしPIが12月1日の安値0.2204ドル付近のこのトレンドラインを割り込むと、さらに0.2000ドルという心理的節目、続いて0.1919ドルのサポート（10月11日の安値と重複）まで下落する可能性があります。

0.2204ドルはなぜこれほど重要なのでしょうか。テクニカル分析の観点から、トレンドラインは複数の安値を結んだ動的なサポートであり、市場の買い圧力が集中するゾーンを示しています。10月22日と11月4日の安値はいずれもこのトレンドライン付近で支えられ反発しており、この価格帯に強い買い支えがあることを示しています。しかし、3日連続で価格がトレンドラインに接近する中、このサポートは厳しい試練に直面しています。

トレンドラインの有効性はテスト回数が増えるほど低下します。これはテクニカル分析の重要な原則で、サポートがテストされる回数が多いほど、最終的にブレイクされる可能性が高まります。Pi Networkのこのトレンドラインは10月と11月にテストされ、今回が3度目の試練となります。今回も支えきれれば信頼性はさらに高まりますが、もし割り込めばテクニカルなロスカットの売りが発動し、下落が加速するでしょう。

Pi Network 重要テクニカルレベル一覧

現在価格：約0.2204ドル付近

第一サポート：0.2204ドル（トレンドライン）

第二サポート：0.2000ドル（心理的節目）

第三サポート：0.1919ドル（10月11日安値）

第一レジスタンス：0.2841ドル（先週高値）

第二レジスタンス：0.3220ドル（8月1日安値）

0.2000ドルはトレンドライン割れ後の最初の主要サポートです。心理的な節目であるこの価格帯は多くの指値買い注文が集まりやすく、投資家は整数値で買い目標を設定する傾向があります。0.2204ドルから0.2000ドルへの下落余地は約9%で、Pi Networkのボラティリティを考えれば数日で十分に達成可能な範囲です。

0.1919ドルはより深いサポートで、10月11日の歴史的安値に一致します。この価格帯はテクニカル分析では「前回安値サポート」と呼ばれ、過去の調整局面で付けた最安値は次の調整でも再びサポートとなる傾向があります。Pi Networkがこの水準まで下落すれば、現在価格から約13%の下落となり、多くの短期保有者が含み損となってさらなるパニック売りを誘発する可能性があります。

MACDデッドクロス間近、RSIは売られ過ぎ未到達で続落示唆

日足チャートのMACD指標では移動平均線が継続的に低下し、ゼロラインに近づいています。下降中の赤線と青線がマイナス領域でクロスすれば、Pi Networkの下落モメンタムがさらに強まる可能性があります。MACD（移動平均収束拡散）は短期線（12日EMA）、長期線（26日EMA）、ヒストグラムから成るトレンド追従型指標です。短期線が上から下に長期線をクロスしマイナス領域に入ると「デッドクロス（売りシグナル）」となり、通常は下落トレンドの始まりや加速を示唆します。

現時点でMACDは完全なデッドクロスにはなっていませんが、短期線と長期線が急速に収束しており、いずれもゼロラインに接近しています。この形はテクニカル分析では「デッドクロスの兆候」と呼ばれ、通常数日以内に確定します。デッドクロスが発生すれば、テクニカル系トレーダーが新たにショートやロング解消を行い、下落圧力がさらに増大します。過去の経験則でも、Pi NetworkはMACDのデッドクロス後に下落トレンドが継続し、MACDが再びゴールデンクロスとなるまで下げ続ける傾向があります。

MACDが売りシグナルを出している一方、同じチャート上のRSI（相対力指数）は46で、中央線付近で横ばいを維持しています。RSIは価格変動の速度と幅を測るモメンタム指標で、0～100の範囲で推移します。通常、RSIが30未満は売られ過ぎ、70超は買われ過ぎとされます。現在の46は市場が中立であり、買われ過ぎでも売られ過ぎでもないことを示しています。

ただし、RSIが売られ過ぎゾーンに達するまでにはまだ下落余地があるため、さらなる下落リスクが示唆されます。46から30まで16ポイントの余地があり、Pi Networkの価格は理論的にこの間にさらに下落する可能性があります。モメンタム指標の観点では、RSIが売られ過ぎゾーンに入り反発し始めて初めて、売り圧力が十分に解消され買いが入り始めたと判断できます。現在の46という水準は、売り圧力が完全に解放されていないことを示唆しています。

RSIとMACDの組み合わせ分析により、より包括的な市場像が得られます。MACDがデッドクロス間近でトレンドが弱気に転換しつつあり、RSIが売られ過ぎに達していないことで下落モメンタムが継続する可能性が高いです。この二重の弱気シグナルにより、短期的なPi Networkの価格見通しは下向きとなります。RSIが売られ過ぎゾーンに入り、MACDの下落も止まったタイミングで初めて押し目買いを検討するべきでしょう。

反発シナリオ：0.2841ドルを回復で下落トレンド転換

上昇トレンドを回復するためには、Pi Networkが先週高値の0.2841ドルを再び奪還し、8月1日の安値0.3220ドルまで上昇を続ける必要があります。現在価格0.2204ドルから0.2841ドルまでのリバウンド余地は約29%あり、この上昇には強い買い支えと明確なファンダメンタルズの後押しが必要です。

0.2841ドルは直近の重要レジスタンスであり、先週の高値でもあります。テクニカル分析では、過去の高値はその後のリバウンドの抵抗帯となり、当該水準には多くの含み損保有者が売りを待ち構えています。価格がこの高値を明確に突破し定着して初めて、下落トレンドが終了し新たな上昇トレンド開始と判断できます。

0.3220ドルは8月1日の安値で、より長期の重要なテクニカルレベルです。Pi Networkが0.2841ドルを突破し0.3220ドルに到達すれば、現在価格から約46%の上昇となります。このリバウンドには、トークンアンロックの減速、MiCA認証での進展、OpenMindとCircleの協業による実需創出、そして暗号資産市場全体の回復といった条件が必要です。

しかし、現時点のテクニカルとオンチェーンデータ環境では反発シナリオの可能性は比較的低いです。3日連続の下落、MACDのデッドクロス間近、CEX純流入増加——これらの要因はいずれも短期的な下落リスクが上昇リターンを上回ることを示唆しています。どんな反発も戻り売りの好機とみなすべきで、新規ロングポジション構築のシグナルとはなりません。Pi Networkが0.2841ドルを明確に回復し、数日間維持できた場合のみ、再度強気ストーリーの有効性を検討すべきでしょう。