1.先物グリッドボットとは
先物グリッドとは、先物契約を取引対象とした自動取引ボットで、さまざまなレンジ相場に対応できる戦略です。価格の上下動によって、トレンドとボラティリティの両方から利益を狙うことができ、短期・中期・長期すべての期間で利用可能です。 先物グリッドは、現物グリッドでよくある「資金効率が低い」「利益が出にくい」「ロング（買い）しかできない」といった課題を克服しています。 ユーザーは、グリッドの種類、レバレッジ倍率、価格レンジ、グリッド数などを設定することで、グリッドボットを作成することができます。
2.先物グリッド戦略の説明
メリット 1.市場がレンジ相場にある場合、先物グリッドボットを選択するのが効果的です。
2.資金効率が高い 先物グリッドボットはレバレッジを利用して取引可能資金を拡張し、資金の活用効率を高めます。
3.多様な相場に対応できる ロンググリッドボットはレンジ上昇相場に、ショートグリッドボットはレンジ下降相場に適しています。 また、中立型グリッドボットは、価格の方向性が予測しづらいレンジ相場に適しています。
4.手数料が安い 先物グリッドボットは先物契約を使って取引するため、現物取引と比べて手数料が低く、1グリッドあたりの利益率が高くなる傾向があります。
先物グリッドの分類
現在、Gateの先物グリッドには以下の3種類があります。 ロンググリッド ショートグリッド 中立グリッド
これらの選択肢により、ユーザーはより柔軟に戦略を立てることができます。
経験や取引スキルのあるユーザーは、市場の動きを自ら判断し、上昇を予測するならロング、下降を予測するならショートを選ぶことができます。
一方で、経験が少ない、または価格予測が難しいと感じるユーザーは、中立グリッドを選ぶことで、価格が上昇しても下落しても、一定の利益を得る可能性があります。
中立型先物グリッドの説明
中立グリッドの基本原理 中立型グリッド戦略は、主に投資リスクをヘッジし、裁定取引を通じて安定した収益を得ることを目的としています。
価格が明確なトレンドを示していないレンジ相場での使用に適しています。
この戦略は、ポジションを持たずに、価格に合わせて売買注文だけを配置するものです。
通常、戦略開始時の市場価格より上では空売りまたは空売りの決済を、下では買いまたは買いの決済を配置します。 ユーザーは価格の上下を事前に予測する必要はありません。システムがリアルタイムの価格に応じて自動的に空売りまたは買いの注文を行い、一買一売の動きで利益を狙います。
価格が下がれば、グリッドが段階的に買いポジションを増やし、価格が上がれば段階的に売りポジションを増やします。
このモデルは収益を得やすく、短期トレードにも活用でき、比較的リスクも低めです。
ただし、中立グリッドには欠点もあります。
この戦略の本質は「左側取引」、つまり安く買って高く売るという行為です。
しかし、相場がブレイク後にさらに上昇したり、陰線のままさらに下落を続けると、買い増しや売却がタイミング的に中途半端になり、含み損が発生することがあります。 特に一方通行の相場では、一時的な評価損が出やすくなります。
ただし、ユーザーはこの評価損を必要以上に恐れる必要はありません。
例えば、価格が下落し続けた場合でも、中立グリッドは平均取得コストを下げながら買い増しを行い、相場がわずかに反発するだけで利益を得られる可能性があります。 また、市場の変動幅が大きければ、グリッドによる裁定取引で評価損が相殺されることもあります。
レンジ設定が適切であれば、最終的に一方向相場でも収益化することは十分に可能です。
中立グリッドを使うタイミング
相場がレンジ状態、または方向感が不明な時に、中立グリッドを活用して裁定取引を行うのが一般的です。
通常、ロンググリッドはレンジ上昇の相場に向いており、空売りや決済はせず、価格が下がると買い増しして取得単価を下げ、上昇時に利益を得る仕組みです。
ショートグリッドはレンジ下落の相場に向いており、上昇すると損失を出しますが、価格が高い時に空売りし、下落したところで買い戻すことで利益を得ます。
このように、ロングやショートのグリッドは、ユーザーがある程度相場の方向性を判断できる場合に効果を発揮します。
しかし、もし相場の方向が読めない場合には、中立グリッドを使うのが有効です。
中立グリッドは、ロングとショート両方の戦略を組み合わせ、互いのリスクを打ち消し合う設計です。
特に仮想通貨市場では価格変動が激しく、予測を外すことで損失を出すケースもありますが、中立グリッドであれば、価格が動いた後に応じてポジションを取り、予測ミスによる損失リスクを抑えることができます。
その結果、より安定した利益の実現が可能になります。
例
たとえば、ユーザーが1000枚のBTCを保有しており、価格レンジを5000〜10000ドル、グリッド間隔を1000ドルと設定し、戦略開始時の価格が8000ドルだとします。
この場合、価格が1グリッド分（1000ドル）上昇するたびに100枚のBTCを売却し、1グリッド分下がるごとに100枚を買い戻す、という戦略になります。
したがって、価格が9000ドルに上がったときには100枚を売却し、保有量は900枚になります。
その後、価格が8000ドルに下がると、100枚を買い戻して再び1000枚保有という流れになります。
3.先物グリッドのパラメーター説明
ロング、ショート、中立の選択について 相場の方向性をある程度予測できる場合、上昇と予想するならロンググリッドを、下落と予想するならショートグリッドを選ぶとよいでしょう。
価格の方向が読めない、しかししばらくレンジ相場が続きそうだと感じる場合には、中立グリッドの使用が適しています。
すべてクリアショートカット： 複数のデータを一括で削除したい場合、このショートカットを使用すれば、手動で一つずつ削除する必要はありません。クリックするだけでデータがすべてクリアされ、再度パラメーターを設定することができます。
価格レンジ： 最小価格は、グリッド取引で買い注文を実行する際の最低価格です。この価格を下回ると、それ以上の買い注文は行われません。 最大価格は、グリッド取引で売り注文を実行する際の最高価格です。この価格を上回ると、それ以上の売り注文は行われません。
レバレッジ倍率： 使用するレバレッジの倍率を選択します。レバレッジ倍率を上げることで、最小投資額を下げることができますが、リスクとリターンの両方が高まります。
等差グリッド： 各グリッドの価格間隔がすべて同じで、その計算方法は （上限価格 − 下限価格） ÷（グリッド数 − 1）
等比グリッド： 各グリッドの価格間隔が等比（一定の割合）で、その計算方法は次の通りです：
グリッド数： グリッド数とは、注文を出すグリッドの本数のことです。グリッド数が多いほど、グリッドが密集し、高値で売り、安値で買う機会が増えます（設定可能範囲は2〜500）。
予想清算価格： すべてのロングポジション（買い注文）がグリッド内で約定し、最大数量のロングポジションが建てられた場合における、予想される清算価格です。
高度な設定： 上記は基本的なパラメーター設定で、すべてユーザーが必ず入力する必要がある項目です。 画面の見やすさを考慮し、高度な設定は初期状態ではすべて表示されておらず、ユーザーがクリックすることで展開されます。 高度な設定には任意入力の項目が含まれており、ユーザーは自身のニーズに応じて入力することができます。
高度な設定の詳細：
戦略トリガー価格： 市場の最新価格がトリガー価格以下になった時に、グリッド戦略が起動します。 トリガー価格は現在の市場価格より低く設定する必要があり、かつグリッド範囲内の最小価格と最大価格の間である必要があります。
自動ストップロス割合： 保有ポジションの平均価格とマーク価格の差が、設定した自動ストップロスの割合を下回った場合にストップロスが発動し、市場価格で強制決済を行い、戦略を終了します。
単一グリッドの基本売買数量： 先物グリッドにおいて、単一グリッドの基本売買数量は1となります。
数量の増加設定： 数量の増加は初期状態ではオフになっています。有効にすると、各グリッドの売買数量を固定の数量で増加させるか、割合に応じて増加させるかを選択できます。図のように設定可能です。
例： 単一の基本売買数量＝1、数量増加＝2 の場合、 最初のグリッドでは1枚の取引、 2つ目のグリッドでは 1＋2＝3枚、 3つ目のグリッドでは 1＋2＋2＝5枚 というように、以降も同じ増加幅で売買数量が増えていきます。
4. 先物グリッドの作成・終了方法
4.1 先物グリッドの作成方法
先物グリッドには3つの作成モードがあります： スマート作成 初心者の方は「おすすめロボット」セクションから、7日・30日・180日のバックテスト結果に基づいて作成されたロボットを選ぶことができます。 これは過去の相場データとトレンドに基づき、アルゴリズムで算出されたパラメーターを使用しています。
コピー作成 スマート作成が希望に合わない場合、「おすすめロボット」から優秀なユーザーの戦略を選び、そのままコピーして使うことができます。
カスタム作成 自分でレンジ相場の範囲を判断できる場合、各種パラメーターやトリガー条件を手動で設定し、投資金額を確定することで独自の先物グリッドボットを作成できます。
補足： レバレッジ倍率を高く設定した場合、相場の変動によりポジションが清算されるリスクがあるためご注意ください。
先物グリッドの手動作成手順
WEB版 ナビゲーションバー → 取引ロボット → ロボット広場 → 新規ロボットを作成 → おすすめ → 先物グリッド → ロボットを作成をクリック → パラメーターを設定 → 作成をクリック
アプリ版操作手順： 取引ロボットのホーム画面に入る，ロボットを作成→ 先物グリッドを選択→ 取引ペアを選ぶ → おすすめロボット または 手動設定 を選択→ ロボットを作成
4.2 先物グリッドボットの終了方法
先物グリッドボットは、いつでも手動で終了することができます。
先物グリッドボットの動きが現在の相場に合っていないと判断された場合は、ボットの運用を終了するのが適切です。
先物グリッドボットは超短期向けの戦略ではありません。多くの場合、一定期間の運用が必要で、その後に期待した利益が得られます。
ロングおよびショートの先物グリッドにおける収益カーブは、現物グリッドと同様に、最初に下がり、その後上昇する傾向があります。ボットの開始直後に損失が出るのは、理論上では正常な現象といえます。
本サービスの最終的な解釈権はGateに帰属します。
