最近、SNSでちょっと面白い勘違いが話題になった。薛蛮子がある大手取引所の創業者の若い頃について投稿し、2014年に2人の創業者が初めて会い、ビットコインの理念からプラットフォーム運営戦略まで10時間も膝を突き合わせて語り合ったと臨場感たっぷりに描写。しかし、当事者が自らそれを否定――実際は丁寧に挨拶を交わしただけで、深い話なんてまったくなかったという。

この出来事から分かるのは、業界の歴史が長くなればなるほど、巷に流れる裏話はどんどん大げさになっていくということ。聞いていて胸が熱くなるような起業伝説の多くは、事実3割、脚色7割。実際に苦労して成功したベテランほど、言動が現実的で、虚勢を張ったりはしないものだ。

業界ゴシップは話のネタとして楽しむ程度で十分、真に受けすぎないこと。市場で長く生き残り、しっかり稼ぐには、結局は堅実なオンチェーンデータと精密なファンダメンタル分析が頼り――こうした「本物の通貨」こそ、意思決定の根拠となる真の証拠なのだから。