合約ってやつは、見た目はすごく難しそうだけど、実際に手を出してみると――もっと怖いものだと気づく。

方向を当てて、レバレッジを最大までかければ、確かに口座の数字が跳ね上がって心臓がバクバクする。でも、もし方向を間違えたら？ 一晩寝て起きたらポジションがゼロ、後悔する暇すら与えてくれない。

俺が初めて合約に触ったときは、何日も連続で儲けてた。その時は本当に自分が覚醒したと思った。テクニカル分析だの、ローソク足のパターンだの、全部理解できる気がした。相場が動けばすぐエントリー、グループで誰かがシグナルを出せばすぐ乗っかる。ある晩、元本が一気に3倍になった時は、まるでお金を刷る機械を拾ったような気分だった。

でも翌日、仕手筋が一気に下げてきて、雲の上から現実に叩き落とされた。その瞬間にわかった。合約は決して一攫千金の近道なんかじゃなくて、ちょっと気を抜けばすぐに落ちる深い谷なんだって。

相場ってものは、結局テクニックの上手さよりも、どれだけ欲を抑え、どれだけ我慢できるかを問われてる。自分が相場をコントロールしてるつもりでも、実際は市場の感情に振り回されているだけだったりする。

何度か痛い目を見て、ようやく少しコツがわかってきた：

まず、軽いポジションが命。オールインで一発逆転なんて考えるな。生き残ることが何より大事だ。

次に、利確と損切りは必ず設定すること。市場は君の都合には合わせてくれない。撤退すべき時は迷わず撤退。迷えば損失は膨らむだけ。

最後に、ノーポジションも立派な戦略。毎日チャンスがあるわけじゃない。無理に手を出せば出すほど自分を苦しめるだけ。

俺の知ってる人の中にも、一気に金持ちになったやつもいれば、全財産を失ったやつもいる。最後まで市場に残っているのは、ペースを守って、無駄なエントリーをしないやつだけだ。

この市場では、一攫千金はただの偶然、堅実さこそが長続きする道だ。相場は一時的に儲けさせてくれるかもしれないが、最後まで生き残れるのは規律を守った者だけ。

合約で問われるのは、誰が早く稼ぐかじゃなく、誰が長く生き残るかだ。孤独に耐え、心を保てるやつだけが、本当にこの世界で立ち続けられるんだ。