ステーブルコインの規制が本格的に始まろうとしている。ここ2週間、暗号資産市場は静かな「政策の地震」を経験した——中国語圏の2つの主要市場が、ほぼ同時にステーブルコインに対する態度を引き締めた。

まず中国本土を見てみよう。最近、規制当局の動きで注目すべき点がある：初めてステーブルコインを「仮想通貨の一形態」と明確に分類したことだ。この定義が意味するのは何か？簡単に言えば、これまで仮想通貨に対して適用されてきた全面的な禁止措置が、今後はステーブルコインにも同様に適用されるということだ。リスク防止、違法取引の取締り、資金の安全保護——こうしたお決まりのフレーズの背後には、規制当局の立場の再確認がある。ネット上で流れている「300件以上の事件摘発、46億元の阻止」などの数字については、公式な情報源からは確認されていない。

次に香港に目を移す。こちらは別の道を歩んでいる——全面禁止ではなく、適正な規制を目指している。香港金融管理局はステーブルコイン発行者のライセンス制度を導入し、現時点ではまだ正式なライセンスは1件も発給されていない。テザー社のような大手企業であっても、ライセンスを取得するまでは香港の一般市民向けに商品を発行・宣伝することはできない。ただし、これは「上場禁止令」ではなく、参入ハードルを設けた形だ。既存の運営者はライセンス申請が可能で、移行期間も設けられている。

2つの市場、2つのアプローチ。1つは「ダメだ」と明言し、もう1つは「良いが、まずは認可を取れ」と言う。この分化は市場にどんな意味を持つのか？世界で最も流通量の多いステーブルコインが中核地域で制限されることで、業界の淘汰が加速することになるのか？香港の「ライセンス取得後の運用」モデルは、機関投資家の新たな参入経路となり得るのか？

様子見の人が多いが、確かなのは——野放図な成長の時代は終わり、これからは誰がルールに適応できるかが問われる時代だ。