DOGEからビットコインへ：法定通貨の金融政策がイーロン・マスクをビットコインへ導いた方法

出典：CryptoNewsNet 元タイトル：DOGEからビットコインへ：法定通貨が偶然にもイーロン・マスクを“オレンジピル”した方法 元リンク：

イーロン・マスクの米連邦政府における過剰支出と非効率性に取り組むという野心的な目標は無駄に終わったかもしれないが、それが彼のビットコインに対する考え方の変化のきっかけとなった可能性がある。

テスラおよびスペースXの創業者であるマスクは、ビットコインが物理的エネルギーと本質的に結びついているため、法定通貨に取って代わるだろうと示唆し、SNS上で話題となった。マスクはインドの起業家ニキル・カマスとの会話で次のように語った：

「エネルギーこそが真の通貨だ。だから私はビットコインはエネルギーに基づいていると言っている。」

「エネルギーは法律で作り出せるものではない。法律を通して突然大量のエネルギーを得ることはできない。エネルギーを生み出すこと、特に有益な形でエネルギーを活用して有用な作業を行うのは非常に難しい」とマスクは語った。

当然ながら、このバイラル動画はビットコインの支持者や業界専門家によって広く共有された。また、近年マスクが公の場でビットコインについて語った数少ない機会の一つでもある。マスクはさらにカマスに対し、社会は現在の法定通貨ベースのシステムから離れる可能性があるとも語った。

「おそらく我々はお金を持たなくなるだろう。ただ発電がデファクト通貨になるだけだ」とマスクは述べた。

DOGEの失敗がイーロンをビットコインに押し戻した

ビットコインマイニングの支持者であるダニエル・バッテンは、マスクがトランプ政権の過剰な政府支出に対応しようとした努力が結局は金融システムに対する彼の見方を変えたと説明した。

「イーロンは旅をしてきた。なぜなら彼は最初、法定通貨ベースの経済システム内で政府支出を抑制することが可能だと心から信じていた。しかし、彼はその実験を実行し、DOGEを立ち上げて失敗させなければならなかった」とバッテンは語った。

バッテンは、マスクが米国の膨れ上がる債務問題に対処するために政府効率局(DOGE)を設立しようとした努力が、結局は法定通貨政策の現実を彼に気づかせる実験となったと述べた。

「彼は、無限のマネープリント（紙幣増刷）が可能な状況では政府支出を抑制するのは不可能であり、マネーと無限の印刷能力を切り離す何かが必要だと理解している。」

バッテンはさらに、マスクの物理学のバックグラウンドから、エネルギーに裏打ちされた通貨プロトコルが本質的にインフレに強いことに彼が気づき始めていると指摘した。

「彼の物理学の背景からして、明らかにこう思ったのだろう。エネルギーは印刷して生み出せるものではない。これは健全なマネーを作る根本的に優れた方法だ。だから彼は徐々に、ビットコインこそがその答えだという結論に近づいている。」

ビットコインマイニングへの認識がついに変わり始めた

バッテンはまた、近年ビットコインの環境への影響に対する認識が変化していることについても見解を述べた。2010年代を通じて、主流メディアはビットコインのエネルギー消費を環境にとって非常に悪いものと描写し続けてきた。

こうした報道と全体的なナラティブは、ケンブリッジ大学の2024年デジタルマイニング産業レポートなど、いくつかの学術論文や調査報告書によって大部分が否定されている。

バッテンは、様々な地域の政策立案者が長年のビットコインの環境影響に関する誤った報道から特に影響を受けてきたと述べた。

「彼らは“ビットコインは取引ごとに多くのエネルギーを消費する”という事実に反するサウンドバイトに基づいて政策を作ってきた。しかしそれは事実ではない。」

バッテンは、ビットコインのエネルギー消費は個々の取引ではなくマイニング活動から直接生じていると説明し、ネットワークは理論的により多くの取引を処理しても追加のエネルギー消費は必要ないことが『極めて重要な理解』であると述べた。

「取引ごとの指標を用いると、『規模を拡大すればするほどエネルギー消費も増加するので、スケーラビリティがない』という非常に悪質な示唆を与える。そして多くの規制当局はいまだにそれを信じている」とバッテンは語った。