では、FRB（米連邦準備制度理事会）が最も注目しているデータ――コアPCE価格指数について話そう。この数値が発表されるたびに、市場の「政策予想が一気にひっくり返る」ことになる。

まず、もしデータが予想を大きく上回った場合（たとえば前回値と予想がどちらも2.9%なのに、もっと高い数字が出てきた場合）、どうなるか？
市場はすぐさまこう考え始める：「利下げ？それは当分先送りだな。高金利の状態がしばらく続きそうだ」。この時、ドルは強くなり、米国債の利回りが上昇し、特に成長株であるテック銘柄などは大きな打撃を受ける可能性が高い。

逆に、データが予想を下回ったり、予想通りだったりした場合は？
雰囲気は全く違ってくる。市場は「インフレ圧力が和らいでいる、ソフトランディングもあり得る、利下げも前倒しかも」と安心する。こういう時はリスク資産が元気になり、株価が上昇し、暗号資産も一緒に盛り上がり、ドルは逆に弱くなる。

だからPCEを注視するというのは、要するにFRBの次の一手を予想して賭けているということなんだ。