あなたは今、市場最大のリスクがFRBの利上げだと思っているかもしれませんが、それは違います。本当の時限爆弾は日本にあります。

まずは一つの話から始めましょう。過去30年間、日本経済はまるで奇病にかかった患者のようでした――デフレーションです。スーパーの牛乳は今日10円、明日は9円、明後日は8円。あなたは今日買いますか？もちろん買いません。待ったほうが得だと考えます。全国民がそう考えるので、誰もお金を使わず、工場は倒産し、社員は失業、さらに消費するお金もなくなる。まさに死のスパイラルです。

日本銀行は焦り、必死に金融緩和を始めました。金利？ゼロ％まで引き下げました。それでも足りない？じゃあマイナス金利――お金を銀行に預けても利息が付かないどころか、逆に手数料を取られる。お金を使わせようとするわけです。

しかしこの策が、思わぬ形でパンドラの箱を開けてしまいました。世界中の賢い資金（ヘッジファンド、ウォール街の大物、バフェットを含む）が、一つの「寝ていても稼げるバグ」に気付きました：日本でほぼゼロコストで円を借り、ドルに替えて米国債（年利5％）を買い、米株を買い、暗号資産に全力投資する。これが「円キャリートレード」です。

過去数十年、日本はまるで24時間営業の無料ATMのような存在で、世界中の資金が利益を求めて流れ込んできました。これらの資金は米株や暗号資産市場に流入し、無数の資産価格を押し上げました。

しかし今、ゲームのルールが変わりつつあります。日本が「目覚め始めた」のです……

（続く。次回はこの覚醒がどんな連鎖反応をもたらすかについて語ります）