今日、マーケットアプリを開いた瞬間、ZECの上昇率に気づいた方も多いでしょう――1日で12％以上急騰し、価格は一時400 USDTに迫り、出来高も急増しており、かなりインパクトのある動きです。市場の一部分析では、資金流入だとか、テクニカル指標が好転している、さらにはETFの噂まで出てきて、まるでこれから飛び立ちそうな雰囲気です。

しかし、冷静になって考えてみると、この光景、どこかで見覚えがありませんか？以前は静かだったコインが、突然大陽線を引き、大量の出来高が伴い、いろいろなニュースが出てきて煽り始める……このストーリー、実はクリプト界隈では珍しくありません。

率直に言えば、これは典型的な「価格釣り上げによる売り抜け（Pump & Dump）」の可能性が高いです。大口投資家（仕手）が手元に溜め込んだコインを、なかなか売るタイミングがなかったところに、市場がやや回復したり、自ら好材料を流すことで、素早く価格を押し上げます。その上昇を見て追いかける個人投資家を誘い込み、出来高と話題性が高まったところで、高値で静かに売り抜けます。売りがほぼ終わると、価格は持ちこたえられず、上がったところから元の水準に戻りやすくなります。

ZECのこれまでの値動き、そして今の急騰を見ると、この上昇が持続するかどうか疑わざるを得ません。クリプト市場で言われる「バランス」というのは面白いもので、短期的には資金でいくらでも歪められますが、熱狂が去った後は価格が元の位置に戻ることが多いです。「暴騰」に惹かれて飛び込みたくなる方は、本当に慎重に考えるべきです。見えているのはチャンスなのか、それとも他人が仕組んだ罠なのか？

チャート上の指標、たとえばMACDが強気転換した、RSIが上昇した――これらも短期的な資金の流入で簡単に作られますが、本当のトレンド転換を意味するわけではありません。さらに、規制リスクという現実的なリスクは、常に頭上にぶら下がっており、1日や2日の上昇で消えるものではありません。

要するに、こうした急激な上昇、特にニュースと出来高が同時に膨らんでいる状況では、慎重になりすぎるくらいがちょうどいいのです。上昇を見て焦って飛びつくと、気づかぬうちに「ババ抜きの最後のババ」を引くことになりかねません。覚えておいてください、クリプト界隈では、時に「何もしない」ことが「闇雲に動く」よりも安全です。盛り上がりは他人のもの、資金は自分のものです。$ZEC ‌$