繰り返し売却戦略は、システムが一定の間隔で自動的にオプションを売却し、選択したサイクル内で継続的にプレミアムを獲得できる仕組みです。本ドキュメントでは、戦略の開始方法、初回売却のタイミング、ポジションルール、戦略の繰り返しロジックについて解説します。
戦略エントリーインターフェース
方法1
オプションチェーンのストライク価格の行にカーソルを合わせると、その行に繰り返し売却戦略のエントリーポイントが表示されます。
• コールエリア ：ボタンは行の右側に表示されます。
• プットエリア ：ボタンは行の左側に表示されます。
エントリールール
- T字型の見積テーブルでの戦略エントリーは、特定の満期日および特定のデルタレンジ内でのみ表示されます。具体的なルールは以下の通りです：
- 満期日 ：T+1（翌日オプション）、T+2（2日後オプション）、T+3（3日後オプション）
- デルタレンジ ：
▪ コール: 0.40–0.01
▪ プット: 0.01–0.40
方法2
注文パネル右上の「繰り返し売却」タブをクリックすると、戦略作成ページに進みます。
戦略設定インターフェース
戦略設定ページに進んだ後、繰り返し売却戦略の実行をサポートするため、以下のパラメータを手動で設定する必要があります：コール/プットの選択、サイクル期間、満期日タイプ、コントラクトアンカー、数量、売却価格。必要に応じて利確・損切り条件も追加設定可能です。各パラメータの詳細と制限は以下をご参照ください。
コールオプション（コール）／プットオプション（プット）
- コールオプションまたはプットオプションのいずれかを売却対象として選択できます。戦略では一方向のみ選択可能です。
- トグルボタンで方向を切り替え可能。切り替え後は、システムが有効範囲内のコントラクトを自動選択します。
- オプションタイプ選択後、戦略期間中はその方向（コールまたはプット）のみを売却し、戦略稼働中は方向変更できません。
実行期間
- 実行期間は戦略の総稼働期間を指します。この期間中、システムは選択した満期日タイプに基づき自動で売却を繰り返します。期間満了後は自動的に戦略が停止し、新規ポジションは開設されません。
- 選択可能な期間：6日、12日、24日
満期日タイプ
- 戦略の各サイクルで使用する満期方法をT+1、T+2、T+3から選択できます。
- システムによる満期日タイプの定義：
- オプションチェーン（T字型見積テーブル）の最初の満期＝T+1
- 2番目の満期＝T+2
- 3番目の満期＝T+3
- 各サイクル開始時、選択した満期日タイプに該当するコントラクトを自動的に売却します。
コントラクトアンカー
コントラクトアンカーは、各サイクルでシステムがどのストライクまたはデルタを選択するかを決定する基準です。以下の2つの方法から選択できます。
方法1：ストライク選択
現在価格（ATM）に対して直接ストライクを選択（例：ATM+3、ATM+5など）
選択肢：満期日とデルタが合理的範囲（OTM）内の場合、システムが選択可能なストライクレベル一覧を自動生成します。リストはATMから遠い順に並びます。「一定数のOTMステップ」でリスクを管理したいユーザー向けです。
方法2：デルタ選択
入力範囲：
￮ コール: 0.01–0.40
￮ プット: 0.01–0.40
調整方法：スライダーは0.01刻みの精密調整と手動入力に対応
デルタが小さいほどOTMが遠くなりリスクは低くなります。デルタが大きいほどATMに近づき、リターンとリスクの両方が増加します。
また、T字型見積テーブルのホットゾーン内の任意のコントラクトをクリックすると、コントラクトアンカーに該当するデルタ値が自動入力されます。
ホットゾーンルール：
- システムは、コール・プットともに該当デルタ範囲のOTMエリアにホットゾーンを表示します。
- ホットゾーン内の任意のコントラクトをクリックすると：
- 選択したコントラクトのデルタまたはATMからの距離が、アンカータイプに応じて戦略設定に自動入力されます。
- 選択したコントラクトがハイライト表示され、選択を確認できます。
数量
- 戦略の各サイクルで売却するオプションコントラクトの数量を設定します。
- 単位 ：デフォルトで基軸資産（例：BTCやETH）を単位とします。
- 入力した数量に基づき、システムが必要証拠金を自動計算し、利用可能残高を表示します。
- 最大売却数量：
- システムは選択した満期日に基づきコントラクトコストを算出し、現在の利用可能残高から最大売却可能数量を計算します。
- 注意：戦略作成時の最大想定額は5,000 USDTに設定されています。実際の利用可能残高が5,000 USDTを超えていても、最大売却数量は5,000 USDTを上限として計算されます。
売却価格
- **売却価格の選択：** 各サイクルでオプション売却時にシステムが用いる価格決定方法を選択できます。選択した方法に基づき、システムが注文価格を自動更新します。
- **選択可能な価格方式**
- **マーケット** ：成行注文で即時約定
- **マーク価格** ：オプションの理論参考価格で注文
- **Ask0** ：現在の最良売気配で注文
- **Ask0–0.5%** ：最良売気配より0.5%低い価格で注文
- Ask0–5%：最良売気配より5%低い価格で注文
- より低い価格（Ask0–0.5%やAsk0–5%）を選択すると、約定スピードは上がる場合がありますが、受け取るプレミアムは減少する可能性があります。
- **システムは常に板情報を監視し、対応する価格水準で注文が出されるようにします** 。
- 板に十分な流動性がなく、Ask価格ベースの注文（例：Ask0–0.5%）が選択された場合、**システムは注文を出しません** 。
利用可能残高
- システムは口座内の利用可能資金をリアルタイムで表示し、戦略開始や証拠金要件を満たせるかを判断できます。
- **注意：利用可能残高は、出金可能なUSDT残高を指し、出金不可の証拠金残高は含みません。**
必要証拠金
戦略パラメータ設定後、システムは最も近い満期コントラクトに基づき、戦略作成に必要な証拠金を見積もります。証拠金は以下で構成されます：
- 初期証拠金 ：オプション売却に必要な基本証拠金
- 予備証拠金 ：市場変動に備えた追加バッファ。システムは初期証拠金の30%を設定します。
計算式：
戦略証拠金要件 ＝ 初期証拠金 ＋（初期証拠金 × 30%）
戦略作成前に、システムが証拠金使用量の合計を自動計算・表示し、口座残高が十分か確認できます。
取引予定スケジュールの見積
- 取引予定経路は、戦略が実行する可能性のある取引を示し、戦略運用のイメージを掴むのに役立ちます。
- 直近2件の売却済みオプションコントラクト：戦略が直近で売却したコントラクトを表示し、実行状況を把握できます。
- サイクル最終日の売却予定コントラクト：その日付の具体的なコントラクトは事前に確定できないため、満期関連情報のみ表示されます。
TP/SL（利確・損切り）設定
- トリガーメカニズム：オプション単位のリターン率が設定した利確または損切り条件に達した場合、システムは**成行注文**で即時決済します。流動性が不足している場合、未約定部分はマーク価格注文に切り替え、満額約定または満期まで継続します。
- 制限事項：最小利確：+5%、最大損切り：–10%
- **注意：一部オプションコントラクトは流動性が不安定な場合があり、利確・損切り機構にはスリッページや損失リスクが伴います。ご利用は慎重にご判断ください。**
リスク指標
リスク指標には、リスクレベルと勝率が含まれます。
リスクレベル：R1、R2、R3（数字が大きいほどリスクが高い）
勝率：過去実績に基づき算出され、参考値として提供されます。
初回売却はいつ行われますか？
「戦略開始」をクリック後、システムは次の09:00（UTC）に初回売却を自動実行します。
• 06:00～08:59（UTC）に戦略を開始した場合、同日09:00（UTC）に初回売却が行われます。
• 09:00（UTC）以降に開始した場合、翌日09:00（UTC）に初回売却が行われます。
手動で注文を出す必要はありません。システムがその時点でのパラメータに基づき、コントラクトを自動選択・売却します。
システムは初回売却コントラクトをどのように選択しますか？
システムは、設定したパラメータに基づき、現在のT字型見積テーブルから自動的にコントラクトを選択します：
• 満期日タイプ：T+1 / T+2 / T+3
• デルタレンジまたはストライク
• 価格タイプ：マーケット、マーク価格、Ask0、Ask0–0.5%、Ask0–5%
システムは選択した価格方式で注文を出し、直接約定または板に注文を置いて約定を試みます。
初回売却後のポジション管理はどうなりますか？
コントラクト売却後、戦略は保有フェーズに入ります：
-
満期まで保有
システムはポジションを満期まで保有し、08:00（UTC）に自動現金決済します（現物受渡リスクなし）。 -
TP/SLが発動した場合
• システムが成行で自動決済します。
• 板の厚みが不足している場合、未約定部分はマーク価格注文に切り替え、満額約定または満期決済まで継続します。 -
手動決済
• 保有フェーズ中に、指値注文で手動決済も可能です。手動決済が開始されると、TP/SLロジックは一時停止し、手動決済完了まで継続します。
現サイクル終了後、システムは次サイクルまで新規ポジションを待機します。
戦略はどのように自動ロールされますか？
繰り返し売却戦略は、選択した満期日タイプ（T+1 / T+2 / T+3）に基づきループします。
満期日タイプは各サイクルの期間を定義します：
• T+1：売却翌日に満期、毎日ロール
• T+2：売却2日後に満期、2日ごとにロール
• T+3：売却3日後に満期、3日ごとにロール
ロールの流れ：
- サイクル開始：各サイクルの09:00（UTC）にシステムが自動で新規ポジションを開設（次期コントラクトを売却）
- 保有フェーズ：満期まで継続、またはTP/SL発動で決済
- 次サイクル：前サイクルが08:00（UTC）に決済された後、同日09:00（UTC）に次期コントラクトを売却
- 停止条件：設定した戦略の総期間（例：6/12/24日）に達すると、最終決済後に自動停止し、新規ポジションは開設されません。
戦略例
例えば、9月4日06:00（UTC）に、期間12日・デルタ0.2・T+2・マーケット売却で戦略を開始したとします。
システムの動きは以下の通りです：
9月4日09:00（UTC）：最初のT+2コントラクトを売却
9月6日08:00（UTC）：コントラクト満期・決済
9月6日09:00（UTC）：次のT+2コントラクトを自動売却
このループは9月16日08:00（UTC）の最終サイクル決済まで続き、その後戦略は自動停止します。
