MMRストップロスの設定方法

MMRストップロスとは

先物取引において、ポジションのリスクは先物アカウントの維持証拠金率（MMR）によって測定されます。MMRが低いほどリスクが高くなり、MMRが100％以下に達すると強制清算が発動し、多額の損失につながる可能性があります。トレーダーはストップロス注文を設定することで損失を限定できますが、問題点として、ストップロス価格に到達する前にMMRが清算ライン（100％）を下回る場合があり、リスクがより高まることがあります。このようなリスクに対応し、より柔軟かつ戦略的なリスク管理を実現するために、GateではMMRをトリガー条件とする新しいストップロス機能を開発しました。この機能により、ユーザーはアカウント全体のリスクを能動的に制御でき、暗号資産取引特有の価格変動にも迅速に対応可能です。 MMRストップロス機能では、トリガーとなるMMRの閾値を110％〜900％の範囲で自由に設定できます。例えば、BTCUSDT契約のロングポジションに対してMMRトリガーを385％に設定した場合、MMRが385％以下になると、システムは該当するBTCUSDTのロングポジション全体を自動で決済します。

注:

現在、MMRストップロス注文は、クラシックアカウントモードにおけるUSDT建て無期限契約およびBTC建て無期限契約のみ対応しています。
また、MMRストップロスはクロスマージンモードのポジションのみサポートされており、分離マージン（アイソレーテッド）モードのポジションには対応していません。ポジションの証拠金モードをクロスマージンから分離マージンへ切り替えた場合、該当ポジションに設定されていたMMRストップロス注文は自動的にキャンセルされます。
MMRストップロスはポジション単位で設定されており、発動時には該当ポジションを自動的に決済します。
ただし、市場が極端に変動している状況では、MMRが突然100％にまで急落して即座に清算が発生する可能性があります。このような場合、MMRストップロスが正常に発動しない可能性があるため、ご注意ください。

MMRストップロスの仕組み

アカウントの証拠金率（MMR）が、ポジションに設定されたトリガーMMRに達すると、そのポジションは成行注文により、最良の価格で全量決済されます。
MMRストップロスを設定する際は、以下の点にご注意ください：

MMRストップロス注文は、ポジションを保有した後、ポジションタブからのみ設定可能です。
ポジションの一部に対してMMRストップロスを設定することはできません。1ポジションにつき1つのMMRストップロス注文のみ設定可能です。
クロスマージンモードのポジションにMMRストップロスが設定されている場合、分離マージンモードへ変更すると該当注文は自動的にキャンセルされます。
設定可能なMMRトリガー値は最小110％〜最大900％です。有効なトリガー値は、「110％以上かつ現在のMMR以下」である必要があります。
異なるポジションに対して設定されたMMRストップロス注文が、同じトリガー条件で同時に発動した場合は、有効注文の優先順位に従って順番に決済が実行されます。
複数のMMRストップロス注文が同時にトリガーされた場合（例：BTCUSDTのMMRが150%、ETHUSDTのMMRが155%に設定されている場合）、ETHUSDTのMMRストップロス注文が先に実行されます。ETHUSDTポジションの決済完了後、システムはアカウントのMMRがBTCUSDTのトリガー条件（150%）を満たしているかを確認します。もし決済後のMMRが150%を上回っている場合、BTCUSDTのMMRストップロス注文は保留状態となり、MMRが再度150%まで低下した時点で発動されます。この仕組みにより、各MMRストップロス注文はトリガー条件に基づいて論理的な順序で実行されるよう設計されています。
極端な市場状況下では、MMRが急激に100％まで低下することがあり、この場合、MMRストップロスが発動する前に強制清算が優先される可能性があります。例えば、トレーダーがMMRストップロスのトリガー値を110％に設定していた場合でも、MMRが113％から一気に100％へ下落した場合は、MMRストップロスよりも清算が先に実行されます。